「ワイルドターキー(WILD TURKEY)」のスタンダードボトルです。
ワイルドターキー蒸留所/ワイルドターキー
カンパリグループ傘下のオースティン・ニコルズが所有するアメリカンウイスキーブランド及び、米国ケンタッキー州アンダーソン郡ローレンスバーグ(Lawrenceburg)にある蒸留所で、車で20分ほどのところにフォアローゼズ蒸留所もあります。
ブランドの由来は、1940年当時のオーナーであったオースティン・ニコルズ社のトーマス・マッカーシーが、七面鳥ハンティングの際に蒸留所でつくられた101プルーフのバーボンを振る舞った際にその友人の1人が命名したと言われています。1942年よりこのブランド名で販売が開始されています。
ブランドの前身は、1869年にトーマス・リッピー(Thomas Beebe Ripy)を中心とした一族がケンタッキー州ローレンスバーグのリッピー蒸留所で生産していたウイスキーを起源としています。
アイルランド移民であったリッピー家はウイスキーや日用品の流通業として成功し、ウイスキー蒸留所をいくつも保有していましたが、その中でもリッピー蒸留所のウイスキーは好評で、1893年にシカゴで開催されたワールドフェアでケンタッキー州代表に選出されました。
その後何度かオーナーが変遷したのち、古くから卸売業者として参画していたオースティン・ニコルズ社が、バーボンの製造販売強化を目的として1970年に蒸留所とブランド権を買収し現在に至っています。
日本では2020年にカンパリグループが日本に設立したCT Spirits Japanが輸入販売を行なっています。社名のCはカンパリ、Tはワイルドターキーに由来しています。
ラッセル親子(Jimmy and Eddie Russell)
蒸留所の歴史に欠かせないのがジミー・ラッセルとエディー・ラッセルの親子です。
父のジミー・ラッセルは1954年にマスターディスティラーに就任し、2代目マスターディスティラーのビル・ヒューズと、初代マスターディスティラーの息子のアーネスト・W・リッピ―から直々に米国禁酒法以前のバーボン製造技術を学び、2000年にケンタッキーバーボンの殿堂入りを果たしました。
3人兄弟の末っ子として生まれた息子のエディーは、1981年から下積みとして働き始め、父の殿堂入りから10年後の2010年にケンタッキーバーボンの殿堂入りとなりました。
2015年に4代目のマスターディスティラーに就任しています。
- マッシュ比率は公開されていませんが、豊かな香味と風味を全面に出すために、全てのバーボンの中でトウモロコシの使用量が最も低く、ライ麦と大麦麦芽を多く使用しているそうです。
- 蒸留時のアルコール度数をバーボン法規定の80%以下を大幅に下回る60~65%に抑え、熟成後のアルコール度数を54度~55度とすることで、ボトリングするときの加水量を少なく抑え、原料のもつ香りを残し深みのある味わいを実現させています。
- 樽の焼付けは55秒で「アリゲーター」と言われています。
- 独自のイースト菌を培養しており、水源は石灰質の水を使用しています。
- 瓶詰め後の万一のトラブルに備え、原酒のサンプルはがオースティン・ニコルズ社で2年間保存されています。
- 初期ラベルの七面鳥は正面を向いていましたが、1999年より横向きの七面鳥が描かれるようになりました。
- 第34代アメリカ大統領のアイゼンハワーを始め、ルーズベルトやケネディ大統領も愛飲していたブランドです。
ワイルドターキー(スタンダード)
アルコール度数を40度に抑え、6~8年熟成させた原酒をブレンドしています。
- 生産国:アメリカ
- 販売元:カンパリ
- 原材料:モルト、グレーン
- ジャンル:ブレンデッド
- アルコール度数:40%
- 購入日:2020年4月
甘いバニラや洋ナシに加え、ほのかなスパイシーさも感じられる、爽やかで柔らかな口当たりのボトルで、若い方や女性向けの飲みやすさを重視しているということです。
ライ麦比率が高いからか、甘い香ばしさが広がっていきます。ストレートではアルコールが若干感じられますが、イメージしていたよりも柔らかい印象を受けます。
ロックでは甘みが更に広がって感じられます。ハイボールもおすすめですね。
ガツンといたバーボンらしさは強くないですが、ロックや食中酒としてハイボールで楽しめるオススメの1本です。