[蒸留所]トマーティン

基本情報

  • 蒸留所名(J):トマーティン
  • 蒸留所名(E):Tomatin
  • オーナー:宝酒造/トマーティン・ディスティラリー
  • 地域:スコットランド/ハイランド/北ハイランド/トマーティン村
    インヴァネスから25kmほど南東に下った人口500人ほど小さな村。村の近くにはネッシーで有名なネス湖がある。
    蒸留所は標高315mにあり、スコットランドで一番標高の高いシングルモルト蒸留所。
  • 生産ウイスキー:モルト
  • 由来:ゲール語で「杜松(ネズ)の木の茂る丘」
    杜松の木は燃やしても煙の量が少ないことから、この地域では18世紀からウイスキーの密造が盛んに行われていた。
  • 仕込み水:オルタ・ナ・フリス(Alt-na Frith or Free Burn)
    別名「自由の小川」。モナリアス山系から花崗岩の間を時間をかけて流れて出た程よい軟水。

日本企業が最初に保有したスコットランドの蒸留所で、日本では国分グループが代理店を務めています。

歴史

1897年、3人の男と投資家達によりにトマーティン・スペイ蒸留所(Tomatin Spey Distillery)として創業されました。1906年すぐに創業を停止し、1909年に新しいオーナーのもとで操業再開。

1956年にポットスチルを2→4基に増設したことを皮切りに大幅な設備拡充を行ない、1970年代には現在のグレンフィディック蒸留所と同規模のスコットランド最大の蒸留所となります。
当時は原酒の大半はブレンデッド用として使用されていたが、1980年頃からブレンデッドウイスキーの需要が世界的に落ち込むと蒸留所の経営も悪化し、1986年に主要取引先であった宝酒造と大倉商事(現在は丸紅)によって買収されます。

これ以降、最盛期には年間1,250万Lまであった生産量を2万Lにまで減らし、品質を追求するようになりました。
2014年にはブランドを一新し、アメリカ市場でも人気のあるシングルモルトの1つとなりました。

製法の特徴・こぼれ話

  • 蒸留所敷地内には30軒近くの住居が用意されていて、従業員の8割近くが暮らしています。中には何世代にも渡って働き続けるスタッフが多くいるそうです。
  • 蒸留所見学では最盛期に使用されていた様々な器具が展示されていて、マッシュタンの中に入るという非常に貴重な体験も出来ます。