ウイスキーについて

ウイスキーとはざっくり言うと「発芽した穀物を原料として糖化・発酵・蒸留を行ない、木の樽で熟成」させたお酒です。
ビールやワイン・日本酒などは蒸留されておらず醸造酒に分類されます。蒸留酒であってもブランデーやコニャックはブドウなどの果実を原料としているためウイスキーとは呼ばれません。ジンやウォッカは穀物を原料した蒸留酒ですが、木の樽で熟成していないのでこちらもウイスキーとは呼ばれません。

 

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原料によるウイスキーの分類

ウイスキー作りに使用される穀物は、大麦麦芽(モルト)、大麦、小麦、トウモロコシ、ライ麦・オート麦などが挙げられます。最近ではキビや粟を使った珍しいウイスキーもあるそうです。穀物や混合される比率により味わいに変化が出てきます。

モルトウイスキーとグレーンウイスキー

原料によって分類した場合、大きくモルトウイスキーとグレーンウイスキーに分けられます。

モルトウイスキー

大麦麦芽(モルト)を原料とし、単式蒸留器で蒸留されます。個性が強いためラウドスピリッツ(Round Spirits)とも呼ばれます。モルトウイスキー中でも細かく以下に分類されます。

  • シングルモルトウイスキー
    単一の蒸留所で造られるモルトウイスキーで「アンブレンデッドモルトウイスキー」とも言われます。熟成年数が違う樽のウイスキーを混ぜ合わせる場合もありますが、全て同じ蒸留所の原酒でないとシングルモルトとは名乗ることはできません。
  • ブレンデッドモルトウイスキー
    複数の蒸留所のモルト原酒を混和したウイスキーで、ヴァテッドモルト(Vatted Malt)・ピュアモルト・オールモルトとも呼ばれます。
グレーンウイスキー

トウモロコシや小麦など様々な穀物を原料とし、連続式蒸留器で蒸留されます。原料により、コーンウイスキー、ライウイスキー、ホイーとウイスキーなどとも呼ばれます。ライトで穏やかで飲みやすい反面個性も少なく、サイレントスピリッツ(Silent Spirits)とも呼ばれ、多くはブレンデッドウイスキーとして使用されます。

  • シングルグレーンウイスキー
    単一の蒸留所で造られるグレーンウイスキーです。
  • ブレンデッドグレーンウイスキー
    複数の蒸留所のグレーン原酒を混和したウイスキー。「ヴァッテドグレーンウイスキー」とも。

ブレンデッドウイスキー

モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混合したものをブレンデッドウイスキーと呼びます。

1853年、アンドリュー・アッシャー(Andrew Usher)がブレンデッドモルトウイスキーを発売したのをきっかけに、1860年にモルトとグレーンをブレンドしたブレンドデッドウイスキーが生まれました。主軸となるモルトウイスキー原酒のことをキーモルト(Key Malt)といいます。

バランスのとれた洗練されたウイスキーに仕上がり、現在のウイスキー市場の90%以上を占めています。

生産地によるウイスキーの分類

2000年代までは世界のウイスキーのほぼ100%のシェアを以下の五大ウイスキー産地が占めていましたが、近年は世界各国でウイスキーづくりが盛んに行われていて、スピリッツの販売額としてはナンバーワンと言われています。

スコッチウイスキー Scotch/スコットランド

世界の全ウイスキーの消費の5割近くを占め、ウイスキーの本場とも言えます。

ジャパニーズウイスキー Japanese/日本

一般的に製法はスコッチと同じですが、全体的に繊細な味わいながらもマイルドで調和のとれた風味が特徴です。近年では様々なクラフトウイスキー蒸留所が開設しています。日本の酒税法には熟成年数や原材料に関する明確な定義がないことから、近年ではブームに乗じた”まがいものウイスキー”が多数発売されている問題もあります。