ウイスキーについて

そもそもウイスキーとは「穀物を原料とした蒸留酒を樽で熟成」させたお酒です。とはいえウイスキーは様々な国で様々な原料で作られていてその呼称は様々。混乱しがちなウイスキーの呼び方について紹介していきます。

原料によるウイスキーの分類

モルトウイスキーとグレーンウイスキー

ウイスキーを原料によって大きく分類した場合、モルトウイスキーとグレーンウイスキーに分けられます。

モルトウイスキー
Molt
大麦麦芽を原料とし、単式蒸留器で蒸留される。
個性が強く、ラウドスピリッツ(Round spirits)とも呼ばれる。
シングルモルトウイスキー single molt
アンブレンデッドモルトウイスキー
単一の蒸留所で造られるモルトウイスキー。
ブレンデッドモルトウイスキー Blended
ヴァッテドモルトウイスキー
ピュアモルトウイスキー
オールモルトウイスキー
複数の蒸留所のモルト原酒を混和したウイスキー。様々な呼称があるが、ブレンデッドモルトウイスキーとして統一されつつある。
グレーンウイスキー
Grain
トウモロコシや小麦など様々な穀物を原料とし、連続式蒸留器で蒸留される。
ライトで穏やかで飲みやすいが、個性もないことからサイレントスピリッツ(Silent spirits)とも呼ばれれる。
シングルグレーンウイスキー 単一の蒸留所で造られるグレーンウイスキー。
ブレンデッドグレーンウイスキー
ヴァッテドグレーンウイスキー
複数の蒸留所のグレーン原酒を混和したウイスキー。

ブレンデッドウイスキー

モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混合したものをブレンデッドウイスキーと呼びます。
バランスのとれた洗練されたウイスキーに仕上がり、現在のウイスキー市場の90%以上を占めています。

1853年にエディンバラのアンドリュー・アッシャー(Andrew Usher)がアッシャーズ・オールド・ヴァッテッド・グレンリヴェット(アッシャーズOVG)を発売したのが最初で、その後1860年にモルトとグレーンをブレンドしたブレンドデッドウイスキーが生まれました。

生産地によるウイスキーの分類

今度は生産地ごとにウイスキーを分類していきます。
ウイスキーは世界中で生産されていますが特に生産が盛んな国をを5大ウイスキーと呼んでいます。
ただし、各国によりウイスキーの法律やルール・呼び名が異なるので注意が必要です。

スコッチウイスキー(スコットランド)/Scotch

世界で一番売れているスコットランドのウイスキーは、最低でも3年以上オーク樽での熟成が義務付けられていて、アルコール度数も40度以上でボトリングされる必要があります。
スコッチモルトウイスキーは大麦麦芽を乾燥させる際に焚くピートの香りが特徴で、全体的に個性が強く重厚な味わいです。

アイリッシュウイスキー(アイルランド・北アイルランド)/Irish

アイルランドはウイスキー発祥の地と言われており、昔はモルティングした大麦とモルティングしていない大麦の両方を原料としたピュアポットスチルウイスキーが主流でしたが、現在ではブレンデッドウイスキーが主流です。

一般的に3回蒸留されていて、熟成期間は最低3年と定められていますが、スコッチに比べ全体的に熟成期間は短くピートも使用しないため、ライトボディで風味が軽くてまろやかな味わいで飲みやすいのが特徴です。

呼称 原料 蒸留器
ピュアポットスチルウイスキー 大麦麦芽、大麦、小麦、オート麦、ライ麦等 単式蒸留器
モルトウイスキー 大麦麦芽のみ 単式蒸留器
グレーンウイスキー 大麦麦芽、トウモロコシ、小麦、大麦等 連続式蒸留器

アメリカンウイスキー(アメリカ)/American

アメリカンウイスキーは禁酒法時代など不遇の時代がありましたが1950年代から復興を遂げています。
現在はトウモロコシを原料として連続式蒸留器で蒸留したバーボンウイスキーが主流ですが、初期のアメリカンウイスキーはライウイスキーであったと言われています。初代大統領のジョージ・ワシントンも若い頃にライウイスキーを製造販売していたそうです。

一般的に新樽で熟成させるため独特の色味と華やかな香り・甘みがあります。

アメリカンウイスキーは、合衆国の連邦規則集で以下のように定義されています。(アメリカから輸出される蒸留酒については適用外)

  • 穀物が原料で、
  • アルコール度数が95%未満で蒸留した後、
  • 熟成前の樽詰めの段階でアルコール度数が62.5%以下で、
  • オーク樽で熟成させたもの(コーンウイスキーは熟成は不要)、
  • もしくは上記にスピリッツをブレンドしたもので、
  • アルコール度数40%以上で瓶詰めしたもの

更に、アメリカンウイスキーの中でも主原料や製法の違いによって以下の種類に分類されています。

バーボンウイスキー
バーボンウイスキーは合衆国発足の1789年、エライジャ・クレイグ牧師によって作られ始めたのが最初といわれています。かつては、ケンタッキー州バーボン郡で生産されたコーンウイスキーを指していましたが、アメリカ国内で消費・宣伝されるバーボンウイスキーは以下の要件を満たしている必要があります。
(定義は国によって異なりますが、多くはアメリカ合衆国の法律に準拠しています)

    • アメリカ合衆国で製造されていること
    • 原料としてトウモロコシを51%以上使用していること
    • アルコール度数80%以下で蒸留されていること
    • 内側を焦がした新品のオーク樽で熟成すること
    • 熟成の樽入れ前のアルコール度数は62.5%以下であること
    • 瓶詰め時のアルコール度数は40%以上であること
    • 熟成4年未満の場合ラベルに熟成期間を明記

上記を満たし、更にケンタッキー州で生産されたウイスキーに関しては、ケンタッキーバーボンウイスキーと呼ばれます。

また、バーボンウイスキーはコンセプトバーボンと呼ばれる新しい生産スタイルが流行です。
樽同士のブレンドを行わずに少量を瓶詰めしたシングルバレルバーボン(Single barrel)や、数~数十種類の樽をブレンドしたスモールバッチバーボン(Small batch)/ブティックバーボン(Boutique)などがあります。

 

ライウイスキー
原料がライ麦51%以上で、内側を焦がしたオーク新樽で熟成したもの。

ホイートウイスキー
原料が小麦51%以上で、内側を焦がしたオーク新樽で熟成したもの。

コーンウイスキー
原料がトウモロコシ80%以上で、古いオーク樽または内側を焦がしていないオーク樽で熟成したもの。

モルトウイスキー
大麦51%以上で、内側を焦がしたオーク新樽で熟成したもの。

 

ストレートウイスキー
アメリカンウイスキーには熟成期間に関する規定はありませんが、熟成期間が2年を超えて、かつ着色料等の添加物が含まれていない場合はストレートウイスキーと呼ばれ、「ストレートバーボンウイスキー」のように頭に”ストレート”とつけることができます。

ブレンデッドウイスキー(アメリカンブレンデッドウイスキー)
ストレートウイスキーに他のウイスキーやスピリッツを混ぜたものを指します。
ストレートウイスキーの割合が20%以上である必要があります。
禁酒法後にカナダで開発されアメリカ市場に広まりました。

ブレンデッドバーボンウイスキー
ブレンデッドウイスキーのうち、ストレートバーボンウイスキーを50%以上含むものを指します。

さらに、連邦規則集に規定はないものの以下のような分類があります。

  • テネシーウイスキー
    バーボンウイスキーに分類されるもののうち、テネシー州で製造され熟成前にテネシー州産サトウカエデの木炭を用いて濾過したもの。ジャックダニエルが博覧会で金賞を受賞したことをきっかけに広く認知されるようになりました。
  • シングルモルト、シングルライモルト
    連邦規則集には”シングル”という用語に関する規定はなく、原材料がモルトのみといったわけではありません。(一部、スコッチの定義に倣って名付けている場合もあります)
    アメリカンウイスキーでこれらの表示があっても、単に同一蒸留所で作られたモルトウイスキーの条件を満たしているだけという可能性もあります。

カナディアンウイスキー(カナダ)/Canadian

カナダの法律では「穀類のみを原料とし、カナダ国内で蒸留、容量180リットル以下の樽を用いて3年以上国内で熟成させたもの」がカナディアンウイスキーと定義されています。
トウモロコシをベースにライ麦などがブレンドされているのが特徴で、五大ウイスキーの中で一番ライトな飲み応えです。製造工程で使用されるウイスキーは以下のように呼ばれています。

ベースウイスキー Base
(≒サイレントスピリッツ)
トウモロコシを原料に、連続式蒸留器で蒸留。
スパイシーで、ニュートラルスピリッツに近い。
基本的に主に新樽ではなく3年以上使用された樽で熟成される。
フレーバリングウイスキー Flavoring
(≒ラウドスピリッツ)
ライ麦などを原料に連続式蒸留器で蒸留。
アルコール度数で60~70度、穏やかな香りが特徴。

ジャパニーズウイスキー(日本)/Japanese

一般的にスコッチと同じ製法ですが、全体的にマイルドな調和のとれた風味が特徴です。

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