ウイスキー樽について

ウイスキーの熟成・後熟には欠かせない樽。英語ではカスク/caskといいます。
サイズの違いも樽材の違いも、熟成中のスピリッツにそれぞれ異なったフレーバーを付与してくれます。

樽材の種類

ウイスキーを熟成する前に、どんなお酒を貯蔵していた樽なのかによって熟成されたウイスキーの香りや味わいは大きく左右されます。

新樽 未使用状態の樽を指す。以下の再利用樽に比べて樽材独特の香りがつきやすい。
バーボン樽 バーボンを貯蔵した樽。
バーボンでは樽の再利用は認められていないため、一度利用した樽はスコットランドに輸出・再利用したり、解体されホグスヘッド樽に作り替えられる。
シェリー樽 シェリーはスペイン南部のヘレス周辺でつくられる白ブドウ酒のことで、シェリー樽で熟成することで、ドライフルーツのような香りと甘さがウイスキーに移り芳醇な個性が備わる。熟成が進み過ぎるとブドウの渋みがウイスキーの味わいに悪影響を及ぼすので、見極めが難しい。
辛口フルボディのオロロソ、深みと甘さを備えたクリーム、力強く濃厚な甘さと芳醇な香りのペドロ・ヒメネスなど様々なタイプがある。

他にもワイン樽やマディラ樽・ブランデー樽などが使われます。

樽材による分類

アメリカンホワイトオーク
アルバオーク
Quercus Alba
北米で産出される木でアメリカ・スコットランド・日本など多くの国で利用。
バーボン業界が使用するカスクのすべてがこのタイプで、シェリー・ワインなどの樽材としても使用される。
バニラ・ココナッツ・甘い香辛料の香りをもたらす。
スパニッシュオーク
ヨーロピアンオーク
イングリッシュオーク
コモンオーク
ヨーロッパナラ
Quercus Robur
スペインのアンダルシア地方ヘレス周辺で作られる強化ワイン・シェリー用の樽材として利用される。
タンニンを多く含むため、口の中が渇くような効果をスピリッツに与え、ドライフルーツ・クローブ・松脂のようなアロマももたらす。
セシルオーク
フレンチオーク
Quercus Petraea
以前はコニャック用として使われていたが、現在スコッチウイスキーとジャパニーズウイスキーでも使用されている。
フレーバーはホワイトオークとヨーロピアンオークの中間で、タンニン量が多く、スパイシーさもある。
ミズナラ
ジャパニーズオーク
Quercus Mongolica
日本で産出されるホワイトオークの一種。戦後日本で樽材が不足した際にサントリー社などが使用したのが最初で、現在は北海道で生育するものが主に利用され、ジャパニーズウイスキーが有名になって以降海外でも採用。
香木を思わせる強い芳香性のアロマをもたらしてくれるからため、希少ながらも人気を集めているオークです。
他にもパイナップルやココナッツのアロマが得られる。

樽(カスク)のサイズ

一般的に樽サイズが大きいと熟成は遅いがまろやかになり、小さいと熟成は早いがハードで荒くなります。

バレル
barrel
180~200L フランス語の「樽/baril」が語源と言われています。
ホワイトオークで造られ、新樽としてバーボンウイスキーで使用された後、旧樽として他国のウイスキー熟成や、ラム・テキーラなどのメーカーで再利用されます。
「ASB」「ヤンキー」などとも呼ばれます。
比較的小さめサイズなので、樽材の成分が染みこみやすく熟成が進みやすいのが特徴です。
ホッグスヘッド
hogshead
約230L 豚一頭の重さであることから命名されています。
アメリカンホワイトオークで造られるのが一般的です。
スコットランドやアイルランドで一般的に利用されるサイズで、バーボンバレルを一度解体し、容量を増やすために樽材を追加し、新しいヘッド(鏡板)を用いて組み上げます。
バット
butt
約500L ラテン語で「大きい樽」を意味です。
ヨーロピアンオークで造られ、シェリー酒の熟成に使用された後にウイスキーメーカーの手に渡ります。
一部アメリカンホワイトオークで造られるものもあります。
パンチョン
puncheon
300-500L サイズはまちまちで、バットよりも丈が短く横幅が広くずんぐりとしています。
アメリカンホワイトオークまたはヨーロピアンオークから造られます。
原酒と樽材との接する割合が少ないため、熟成が進みにくい反面、品質を安定できる特徴があり、サントリーがウイスキー熟成用に使用しています。
マデイラドラム/
ポートパイプ
約650L マデイラドラムは伝統的にフレンチオークで造られますが、ポートパイプの材料はほとんどがヨーロピアンオークです。
一般的には二次熟成(フィニッシュ)に使用されるが、最近では長期熟成用として実験的に用いられるようになっています。
バリック 約225~300L ワイン熟成用のカスクとして知られ、アメリカンホワイトオークまたはフレンチオークで造られます。
ゴルダ 700L ゴルダとは「太っちょ」を意味するスペイン語で、貯蔵用として法的に認められた最大サイズのカスクです。
シェリー酒をスコットランドやアイルランドまで船で輸送するためにヨーロピアンオークで造られていましたが、近年はほとんど見られないタイプです。
クォーターカスク/
ブラッドタブ
約40~50L 最小サイズのカスク。別名「ファーキン」。
ビーム・インターナショナル社が、ラフロイグやアードモアを短期間でフィニッシュするためにアメリカンホワイトオークで特注生産されています。
【飲レポ】ラフロイグ クォーターカスク
かつては蒸留所のプライベートな顧客用に使用され、現在もブルイックラディがウイスキーを個人所有したいという顧客のためにブラッドタブを使っている。

樽作りの職人たち

樽作りを行なう職人をクーパー/Cooperと呼びます。木桶発酵樽の製造・修理も行う場合もあります。

樽作りには樽職人は釘も接着剤も使わず、締め輪/Hoopと呼ばれる鉄製のタガで何十年もウイスキーを密閉する樽をつくります。

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