ジョニーウォーカー/JOHNNIE WALKERは世界的に有名なスコッチウイスキーのブランドで、現在は Diageo/ディアジオ社 傘下に属するブランドの1つです。
2009年10月以降、日本ではディアジオジャパンに代わり、Kirin Holdings Company/キリンHD社 が輸入販売を行なっています。
ジョニーウォーカーの歴史
創業者のジョン・ウォーカー
創業者のジョン・ウォーカーは、1805年にキルマーノック/Kilmarnockのトッドリグス農場で生まれました。
14歳の1820年、父親の死を契機に農場を売却しキルマーノックで小さな食料雑貨店を開きます。その中でオリジナルウイスキー(Walker’s Kilmarnock Whisky)の販売を開始したことがジョニーウォーカーの始まりです。
息子のアレキサンダー・ウォーカー
1837年、創業者ジョン・ウォーカーと妻エリザベスの間にアレキサンダー・ウォーカーが誕生します。ジョニーウォーカーのブランドは、この息子の活躍が大きいと言われています。
アレキサンダーは10代の頃から父親の食料雑貨店を手伝い、1852年にキルマーノックの洪水により壊滅被害を受けた事業を数年で復活させるほどの手腕を発揮したと言われています。
1857年に父のジョン・ウォーカーが亡くなってからは父親の事業を引き継ぎ、1860年頃より航海に出る船長たちにオリジナルウイスキーの販売を委託し世界中へ出荷をはじめ事業をさらに拡大させました。
アレキサンダー・ウォーカーの息子たち
1889年にアレキサンダーがこの世を去ると、2人の息子(ブレンダーのアレキサンダー2世と経営者のジョージ)がさらなる成功へと突き進みます。手始めに1893年、20,500ポンドでカーデュ蒸留所を買収し、競合ブレンダーに先んじて安定供給を成功させます。
1906年にはブレンダーのアレキサンダー2世が情熱を注いだ「オールドハイランド」「スペシャルオールドハイランド」「エクストラスペシャルオールドハイランド」の3つの主力ブランドが確立します。
1908年にブランドの一新が行なわれ、これまでの「ウォーカーのキルマーノックウイスキー」から「ジョニーウォーカーウイスキー」となり、1910年には「ジョニーウォーカー レッドラベル」と「ジョニーウォーカー ブラックラベル」が登場しました。
製法の特徴・こぼれ話
- 第2次世界大戦中のイギリス首相のウィンストン・チャーチルが愛飲していました。
ラベルとストライディングマン
初代アレキサンダーは象徴的な四角いボトルを1870年に発表しました。
24度に傾いたラベルも有名です。このデザインは1877年に意匠登録されていますが、1920年から全てのブランドに採用されています。この個性的なデザインのおかげで世界中に知れ渡りますが、実は輸送の際の衝撃から瓶を守るというメリットもあるそうです。
また、紳士的なラベルに描かれている紳士「ストライディングマン」も有名です。
コートにシルクハット、片眼鏡をつけてヘシアン・ブーツを履き、ステッキを持っています。
1908年、漫画家のトム・ブラウン/Tom Browneが、ウォーカー兄弟との昼食会で創業者ジョン・ウォーカーに似せて描かれていると言われています。
スポーツとの関わり
ゴルフ
1989年より「ジョニーウォーカー(R)クラシック」の母体となるゴルフイベントの後援をしていますが、ジョニーウォーカーとゴルフとの関わりはそれよりも古く、1926年からホールインワン賞を導入(賞状とボトルが授与)していました。1931年には、当時のイギリス皇太子殿下が受賞されたという記録も残っています。
F1チーム「Vodafone Mclaren Mercedes」
2005年よりF1チーム「Vodafone Mclaren Mercedes」とのパートナーシップを締結しています。
主な製品ラインナップ(通常ボトル)
ジョニーウォーカーのブランドは各ボトルを色で識別できるようにしています。
20世紀初頭はまだ文字を読める人が少なかったこともあり、ラベルの色をそのまま商品名にしたといわれています。
- ジョニーウォーカー ダブルブラック
こちらは年数表記はありません。熟成年数にこだわらず「スモーキーさ」と「豊かな香りとコク」を力強く表現させるためです。
スムースでありながら、深みのある豊かな香りと、コクのある甘さが際立った味わいが特徴。 - ジョニーウォーカー グリーンラベル(15年)
15年以上熟成させたモルト原酒のみブレンドしたヴァッテッドモルトウイスキー。
Talisker/タリスカー蒸留所・リンクウッド・クラガンモア・カリラをキーモルトとしています。 - ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ(18年)
- ジョニーウォーカー スイング
他のシリーズと異なり、ドラクエのスラムのようなボトルが特徴的。
1932年から発売されていますが、これは荒れた海の振動からウイスキーを守るためだそうで、傾けても真っ直ぐに戻ります。 - ジョニーウォーカー プラチナムラベル
- ジョニーウォーカー ブルーラベル
1/10,000の確率でしか存在しない完璧に熟成された原酒のみをブレンドされていると言われています。
限定ボトル
ブレンダーズパッチシリーズ/Blenders’ Batch
マスターブレンダーであるジム・ビバリッジ/Jim Beveridge率いる12名のジョニーウォーカーのブレンダー達が、豊かな経験や個性に基づいて既成の価値観にとらわれずにブレンドさせたシリーズとなります。
ジョン・ウォーカーが雑貨店を開業してから200周年となる2020年までに、全12 品がリリースされる予定とのこと。
また、これらのシリーズは地域ごとに好まれるであろうブレンドを別々にしてリリースするそうです。
- No.2 ジョニーウォーカー バーボンカスク&ライフィニッシュ
- No.3 ジョニーウォーカー トリプルグレーン アメリカンオーク10年/TRIPLE GRAIN AMERICAN OAK Aged 10 Years
オリジンシリーズ/ORIGIN
ディアジオ社が誇るスコットランド各地のモルトを地域別にブレンドした、ブレンデッドモルトのシリーズとなります。スペイサイド、ハイランド、ローランド、アイラとシリーズがあります。