グレンモーレンジィ(北ハイランド地方)

グレンモーレンジィ蒸留所(Glenmorangie)は、スコットランドの北ハイランド地方ロスシャイア地域テイン(Ross-shire,Tain)にあるモルトウイスキー蒸留所です。ゲール語で「大いなる静寂の谷間」という意味で、LVMHがオーナーのもとグレンモーレンジィ社(The Glenmorangie Company)が運営しています。

原酒はブレンド用としては一切供給されていませんが、シングルモルトとしてはグレンフィディックザ・グレンリベット、マッカランに次ぐ世界4位の売上を誇り、仕込み水として硬水を使用したり、首の長いポットスチルを使用している特徴的なシングルモルトを生産しています。

グレンモーレンジィ蒸留所の歴史

バルブレア蒸留所の共同経営者であったウイリアム・マテソン(William Matheson)が、ビール製造を行なっていたモーレンジィ農場を買収・改装して1843年に創業しました。
1918年にマクドナルド&ミューア社(Macdonald & Muir)とダーラム社(Durham)へと渡ったのち、米国の禁酒法時代や世界恐慌・第二次大戦中などで一時生産を停止していたものの、戦後順調に生産量を拡大していきます。

1996年にマクドナルド&ミューア社がグレンモーレンジィ社へ名称変更後、1997年にはアードベッグ蒸留所を取得し、全くタイプの異なる蒸留所を保有したことで話題となりましたが、その後グレンモーレンジィ社は2004年にLVMHに買収されて現在に至ります。
創業175周年となる2018年、ポットスチルや糖化槽・発酵槽などを増設する計画を発表しています。

製法の特徴・こぼれ話

  • ビール製造を行なっていたときから仕込み水として「ターロギーの泉の湧き水(Tarlogie Spring)」を使用しています。100年以上もの年月をかけて濾過されたミネラル分豊かな硬水で、クリーミーな質感とフルーティな味わいを与えています。硬水を仕込み水として使用している蒸留所は少なく、「良質のモルトウイスキーは軟水から作られる」という常識を覆した蒸留所です。
  • 蒸留所開設当初から中古のジン用の単式蒸留器を使用していて、ネックの長さは5.14メートルとスコットランド最長です。立ち昇った蒸気はポットスチル触れる機会が多くなり、雑味を含んだ蒸気がモロミ内に戻りやすい構造となっているそのため、軽やかで純度の高いスピリッツが生成され、華やかなアロマとエレガントな味わいが生まれることから「天国に近いところまで昇ったウイスキー」とも呼ばれています。
  • 使用する大麦もスコットランド原産のものにこだわっています。
  • シェリーやマデイラなどのワイン樽で熟成し、味や風味をつけることを始めたため、カスクフィニッシュのパイオニアと呼ばれています。
  • 樽へのこだわりも強く、樽材となるホワイトオークはアメリカのミズーリ州北部の林業家と契約したものを使用しており、それをバーボンメーカーに貸し付けてから使用しています。グレーモンレイジィでは「デザイナーズカスク」と呼ばれています。
  • バニラのニュアンスを最大限に引き出し、滑らかな質感を生み出すため、使用する樽は2回までしか使わないそうです。(3回以上樽を使用するのが一般的)

主な製品ラインナップ

フルーティーでフローラルな風味が特徴で、「香りのデパート」「完璧すぎる」などと評価されています。
1996年からは、10年熟成をベースに様々な樽2年間後熟させた「エクストラマチュアードシリーズ」をリリースしています。

グレンモーレンジィ オリジナル/The Original★★★

10年熟成のスタンダードボトルです。
濃厚過ぎない柑橘系のスッキリとした爽やかな甘さが魅力的な1本ということです。樽の影響を控えめにすることで、上品でフルーティな仕上がりになっていて、スコットランドで一番飲まれているシングルモルトということです。1000mlボトルの並行輸入品を購入しました。

  • 原材料:モルト
  • アルコール度数:40%
  • 購入日:2017年12月

確かに、ストレートではオレンジのような甘い酸味と軽やかな香り、そしてほのかな苦味が控えめながらも感じられ口当たりも良いです。
ロックにすると、微かに感じていた苦味が前面に出てきてしまってちょっと微妙でした。
水割りやハイボールでは、最初に感じた軽やかな香りと酸味が薄らいでしまいました。

全体的にバランスが良く、シングルモルトのビギナーズボトルとしても十分楽しめる1本だと思います。
ストレートかトゥワイスアップがおすすめです。

グレンモーレンジィ ラサンタ 12年

ラサンタとは情熱や温かさという意味で、10年熟成のオリジナルをオロロソシェリー樽で後熟していて、ナッツやコーヒーのような風味が特徴とのことです。

グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 12年

キンタはポルトガル語でワイナリー、ルバンはゲール語でルビーという意味です。10年熟成のオリジナルを、ポルトガルのポートワインの最上級であるルビーポートの樽で後熟していて、チョコレートとミントのような風味が際立ち、滑らかな口当たりが特徴とのことです。

グレンモーレンジィ ネクター・ドール 12年

10年熟成のオリジナルを、ソーテルヌワイン(貴腐ワイン)を熟成させた樽で2年追加熟成しています。貴腐ワインの濃厚で絹のように滑らかな甘みとスイートな味わいが特徴とのことです。

グレンモーレンジィ 18年

バーボン樽で熟成後にシェリー樽で再熟成した18年ものです。複雑な深みがありながらも、花のような甘みやコクがしっかりと感じられるとのことです。

グレンモーレンジィ シグネット/Signet

シグネットとは認印・サインと言った意味で、グレンモーレンジィの家紋を表現しているといわれています。製法は細かくは公開されていないのですが、希少なウイスキーをブレンドし、特注のデザイナー・カスクと呼ばれる樽で熟成されています。程よいチョコレート麦芽の甘みがありながら上品な余韻が長く続くグレンモーレンジィの真髄が楽しめる1本とのことです。

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